産前、できるだけ物理的にも精神的にも産後の準備をしておきたく、少しずつ読み漁っていたのですが、それでも知らなかった現実がたくさんありました…。
ので、私の無知さをさらしつつ、産後、特に0〜1ヶ月の頃に、「もっとみんな主張してくれたらいいのに〜!」と思ったことを、初めての出産の予定がある方向けに書いてみます。
まずは、主に母乳についてです。
私の経験と現状の理解(助産師さんに聞いたこと、本で読んだこと、Twitterのママさんたちの経験等より)で書いてみます。
- 母乳は修行
- ミルクにすれば寝られると思っていた…
- 前提:完母、完全ミ、混合はそれぞれが合うものを
- まずは母乳を出すまで努力が必要
- 母乳が出たら出たで、今度は詰まって痛い
- 理想は需要と供給がぴったりの差し乳になること
- 授乳量が足りているかの判断は体重増加で確認
- ある程度の数字を頭に入れておけると少し安心
- まとめ
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母乳は修行
これ。
ほんと、母乳は修行だと、産後すぐに感じました。
「なんでみんなもっと痛いって言わないの…?」
と思いましたよ。
よく、「入院グッズにピュアレーン(乳頭保湿クリーム)を入れておくべし!」なんて先輩ママのアドバイスを見ても、
「母乳がよく出て、自分の子が飲むのが下手でなく、傷にならなければ別に要らないなら、ほしくなったときにポチればいいよね〜」
と思ってました。
が、傷にならなくても痛い…!
傷になったらもっと痛い…!!!
という現実を知りました。
赤ちゃんが、あんな小さくか弱い体で、こんなにも吸い付く力があるとは知らず。
目に見える傷にならなくても、吸う力だけで痛い!!
少しの痛みでも重なって、気づくと痛みが増していて、さらに時間が経つにつれ、だんだん体が耐え慣れていく感じです。
例えるなら、バレーボール初心者が、最初は手首あたりが内出血して真っ赤になって痛い感じに似てると思いました。
最初は痛いけど、痛くても続けていれば、外からの刺激は変わらなくても、身体の方が強くなって、痛みがなくなっていく感じ。
そのため、ある種の修行です。
「お守り代わりにでもピュアレーンをもっておけ」と言っていた先輩ママの気持ちがわかりました。
ちなみに、ピュアレーンとはこれです。
そして、私の場合は、産後1ヶ月半くらいで痛みはなくなりました。
みんなが痛いと言わないのは、人と交流するようになる頃には痛みがなくなってるからですかね…。
(実際、これを書いている現在、痛みはないのでこんなことを思っていた過去の自分を忘れつつある…。)
歯が生えてきた頃に痛いというのは聞くけれど、最初から痛いとか聞いてない…。
ミルクにすれば寝られると思っていた…
「何を当たり前のことを言ってるのか…?!」とお思いの方もいらっしゃるかと思うのですが…。
夫がミルクをあげてくれれば、自分の睡眠時間は確保できるものと思っていました。
私は普段から割と睡眠時間が大事な方なので、
「細切れ睡眠なんて無理!」
「睡眠不足は性格まで変わりそうで不安!」
と思っており、産後すぐに夫も育休取得予定だったので、どんなシフトにするか、お互いが続けて8時間ずつ睡眠確保できるように、本気でスケジュールを作っていました。
が、8時間睡眠なんて、夢のまた夢でした。
「母乳にこだわりないし、ミルクにしちゃえばいけるよね?」と思った方もいるかもしれませんが、そうもいかないのが母乳問題だなと。
いや、もしかしたら、「最初から母乳は1滴も飲ませなくてよい!」と言える場合はできるのかもしれないですが…。
ミルクでよいと思っていても、「最初は少し飲んでほしい」「ミルク多めで、ときどき母乳をあげたい」という気持ちがあれば、最初は母乳が出るように頑張ることになると思います。
前提:完母、完全ミ、混合はそれぞれが合うものを
少し話は逸れますが、母乳が赤ちゃんの健康によいとは言われ、WHOも2歳まで授乳を続けることを推奨しています。
が、それぞれの家庭に事情もあると思いますし、完母(完全に母乳のみ)、完ミ(完全にミルクのみ)、完母よりの混合、完ミよりの混合等、合うものを少しずつ選択していくことになると思います。
ただ、親が思うようにはいかないなぁと感じました。
母乳をなかなか吸ってくれない子、吸っているように見せかけて全然飲まない子、ミルクのアレルギーがある子、最初はどちらでも大丈夫だったけれど2ヶ月くらいからどちらかしか飲まなくなる子(これは一定多そうな印象)、どちらもなかなか飲まなくてすごく大変そうな親御さんも見かけました。
そのため、子どもに合う中で、親も無理のない方法を少しずつ見つけられるのが一番だと思っています。
私は、できれば完母よりの混合(数日に1回くらいミルクを飲めればよい程度)を目指し、ときどき自分が出かける際にミルクをあげられるようにできればいいなと思い、最初は頻回授乳をしました。
が、ミルクをあげるには哺乳瓶を準備してお湯を入れて冷まし、飲み終わったら洗って消毒…というのが面倒で、途中からミルクをサボって1,2週間に1回くらいになってしまっていたら、3ヶ月頃にミルクを飲まなくなってしまいました。
離乳食が始まると、いろんな味を覚えるからかまた飲むようになりましたが、それまでにたまに気晴らしに一人ででかけるときは、最大2時間程度という制限でした。
次の項目からは、ほぼ完母の私が思ったことになります。
もしかしたら偏りがあるかもしれないという前提で読んでいただければと思います。
ちなみに、ミルクも母乳もどちらでもずっと飲み続けられる子はかなり少ないようです。
とはいえ、一応親の希望を考える際の参考情報として、私が外出時に感じたことを少し。
母乳の場合は授乳室を探したり、少し慣れてくると車など目立たない場所で授乳ケープを使う等になると思います。
(二人目ママさんは、児童館のようなママさんの集まりの場であれば、普通に会話をしながら目の前でなんてことなく授乳を始める手慣れた方もちょくちょく見かけました。強い。)
泣く前に対応できればいいですが、泣き出してからになってしまうと、ショッピングセンターなどでは、授乳できる場所へ移動するまでずっと泣いてしまっているので焦りました。
事前準備が要らないのは楽ですが。
ミルクだと、外出先でもどこででもあげられるのがいいなぁと思って見ていましたが、準備や洗い物、消毒は大変そうだなと。
少しお値段するものの、小分けの缶ミルクだと、その手間もかなり減らせそうだなとは感じます。
まずは母乳を出すまで努力が必要
話は戻ります。
母乳育児は、母体と赤ちゃんの成長の2つの観点があります。
赤ちゃんの成長という観点で、母乳は赤ちゃんの健康によいし、赤ちゃんがお腹を空かせるタイミングが2,3時間おきなので、そのために起きないといけないということは知っていました。
が、母体側の観点の理解不足でした。
母体側は、吸われることによって、プロラクチンとオキシトシンというホルモンが作られ、母乳を生成します。
最初はなかなか出ないので、出したい場合は、とにかく頻回に吸ってもらいます。
母乳の場合は、「欲しがるときに欲しがるだけあげる」とよく言われるのですが、初期の「欲しがるときに欲しがるだけ」は、母体に刺激を与えることによって、生成をどんどん促す意味があるので、必ずしも赤ちゃんのお腹が空いてなくても泣いていれば咥えてもらうくらいでよいようです。
(「欲しがるときに欲しがるだけ」の意味は時期によって変わるようなので、そのあたりもそのうちどこかにまとめるかも。)
そのため、昼間は泣いたら吸ってもらいつつ、夜も3時間間隔で吸ってもらう必要が出てきます。
ミルクにすると、母体側の生成が促されなくなるため、あまり母乳が出ないうちは、一旦吸ってもらって母体のホルモン生成を手伝ってもらったうえで、足りない分をミルクで補う方が多そうです。
私は産後すぐに胎盤処理をしている頃から母乳が滲んでいたし、産院でも「かなり出てるね!」と褒められるくらいには出ていたようなのですが、それでも、子どもが満足に飲めるまで毎回マッサージをしながら授乳をしており、母乳育児が軌道に乗ったと自分で思えるまでには2ヶ月ほどかかりました。
Twitterのママさんたちの母乳についてのつぶやきが減るのも3ヶ月くらいだった気がします。
とはいえ、夜中の眠い中起きるのが一番大変で、赤ちゃんが泣いた際に授乳をすれば泣き止むという観点では、私は頻回授乳を苦だとは感じませんでした。
授乳によって幸せホルモンのオキシトシンも出ると言いますしね。
母乳が出たら出たで、今度は詰まって痛い
「胸が張る」という言葉は私も聞いたことがあったのですが。
頑張って、母乳が出るようになったら、今度は授乳間隔が空くと母乳が作られすぎて、胸がカッチカチのパンパンになって痛くなります。
これを放っておくと、詰まって乳腺炎になってしまったり…。
私は乳腺炎まではいかなかったものの、2回ほどしこりができ、すぐに病院に行こうかと思うくらいには痛かった…。
(結局、「1日様子を見てから…」と思って、自分で痛みを堪えてマッサージしまくっていたら治った程度のですが。病院に行ったら行ったで、非常に痛いマッサージをされる場合が多いらしいですね…。)
これは、昼間、3時間おきに吸ってもらうリズムになると、最初は夜も3時間起きに吸ってもらえるだけの母乳が生成されてしまうためのようです。
逆に、夜間隔を空けすぎると、昼間も母体はそんなに生成する必要がないと判断して、昼間の生成も少なくなってしまいます。
生後0,1ヶ月で子どもがいつもより寝ることでで授乳間隔が4〜5時間空きそうになったときは、「痛みを我慢することはできるけど乳腺炎は面倒だし、まだまだ母乳が十分作られているとは言い切れないから、あまり間隔を空けすぎてまた出なくなるのは避けたい…。けど、せっかく子どもが寝てくれているのに起こすのはためらわれる」と思い、搾乳をしていました。
搾乳をすると、吸わせているのと近い刺激になるので、それも母乳の生成を助けることになります。
起こして授乳をするように言われる場合もあるようです。
夜の睡眠も、少しずつ長くなってくれれば理想なのですが、急に長くなることが多いみたいですね。
(突然授乳が1,2回スキップされるようなイメージ。)
ちなみに余談ですが、出ない出ないと思って頻回に吸わせていたら、珍しく子どもが夜長めに寝てくれた日に、私も目が覚めずにパンパンになり、勝手に母乳が体外に出て、服や布団がびちょびちょになったりもしました。
何もしなくてもピューピュー出るようになる方までいるようです。
こういうことがあれば、母乳パッドの出番となります。
理想は需要と供給がぴったりの差し乳になること
この辺から私個人の解釈が濃くなってきますので、参考程度に。
「溜まり乳」「差し乳」という言葉ありますが、母乳が生成されすぎてパンパンに張って重くなっているのが溜まり乳、溜まっている感じはないけれど、吸うと出てくる状態が差し乳だと思っています。
赤ちゃんが飲みたいと思うタイミングで、ほしい分だけ提供できればよいので、母乳が作られすぎて母体側に痛みがあるのも、ほしい分が作られておらずに赤ちゃんの栄養が不足するのも困ります。
(後者の方がミルクを足すことができるので、対応はしやすいかもしれないですが)
差し乳で不足している場合もあるようなので、一概に差し乳と溜まり乳のどちらがよいというものでもないようですが、母体の不快感も考えると、溜まり乳よりは差し乳がよいのではと思っています。
需要を供給を合わせていくためには、赤ちゃんのほしいときにあげるというのを繰り返すのが一番と、私は助産師さんに言われました。
搾乳をしすぎても、母乳が生成されすぎたりもします。
うちは、だんだんと夜は長めに寝てくれるようになり、その頃には気づくと差し乳になっていました。
一気に授乳間隔が空くと少し溜まり乳なり、それでも、数日で母体がそれに慣れていき、多少間隔が空いても差し乳を保てるようになっていく感じでした。
自分が出産を経験するまで存在すら知らなかったけれど、病院に「母乳外来」というものがあるくらい、最初は大変なことなんだと実感。
詰まり、不足感等で母乳外来似通ったり、桶谷式に行く方もしばしば見かけました。
ちなみに、私は2ヶ月くらいのタイミングで授乳が楽になり、軌道に乗ったと思えたのですが、差し乳になってすぐは、射乳反射と呼ばれるもののために、授乳開始数秒後に「ツーーーーーーン!」という痛みが両方の胸に走っていました。
これも何か乳腺炎のような問題が起こってしまったのかと思ったのですが、ホルモンや母乳の生成によるもののようで、しばらくするとなくなりました。
(どれくらいだったかな…1ヶ月くらいはあったようななかったような…)
こういう母乳育児については、もっと産前に知識を入れておけると良かったなと思いました。
迷信のようによく言われていることもたくさんあるものの、どれが科学的なのかが気になって読んだ、下記の本は良かったです。
WHOの母乳育児についてのガイドラインを、日本語で読みやすくわかりやすくまとめてくれています。
ちなみに、うちの子は新生児期から吐き戻しも嘔吐も多かったのですが、2ヶ月頃、授乳時にむせたり、左右数分ずつ飲んだら終わるようになり、十分摂取できているのか不安になっていたのですが、病院に行ってみると、「母乳過多でしょう」と言われたことがありました。
不足と間違いやすい過多についてもこの本に乗っており、「まさに!」と思いました。
授乳量が足りているかの判断は体重増加で確認
最初、頻回に授乳をするのは、母乳がしっかり出ているか、赤ちゃんはちゃんと飲めているのか、不安になるからもあると思います。
ミルクであれば、どのくらい飲んだのかがわかるのでよいのですが、母乳の場合は見えません。
確認しようと思うと、授乳の前後で体重を測ることになります。
私は、お祝いで下記のベビースケールをいただき、飲めていることを確認できたので、不安払拭に大活躍でした。
が、赤ちゃんが1回あたりに母乳を飲む量はかなり幅があるようので(Max300ml飲める赤ちゃんでも0mlなこともあるくらい)、飲んでないことがあった場合に落ち込んでしまいそうな方は、スケールは持たない方がよいと思います。
お値段も安くはないし、実際持っていない人が大多数です。
スケールがない場合も、基本的には、1ヶ月健診、3〜4ヶ月健診で体重が増えていれば問題ありません。
逆に言うと、万一の飲む量が少なくて体重が増えていないことに気づくまでに、このくらいのスパン空いても問題ないということだと思っています。
もし、そこで体重があまり増えていない、または、減っているとわかると、ミルクを増やすなどの対策をして、1〜2週間後に再度体重をチェックすることで、順調かどうかを確認します。
体重は1日ごとにチェックをしても誤差もあるので、基本は2週間単位で見て、増えていれば問題ないという判断になるようです。
スケールはないけど、体重増加が心配な場合は、近くの子育て支援センター等にいけば、体重を測らせてもらえると思うので、利用してみるのも一つです。
ちなみに、吐き戻しや嘔吐が多いくて病院に行った際も、栄体重増加が問題なければ問題ないという確認方法でした。
2ヶ月のときに、嘔吐とともに血が出てきたことがあったのですが、月齢が小さい頃は大げさな検査をする方が身体に負担がかかるため、「体重が増えていて機嫌がよければひとまず様子見で」と言われるくらいには、体重増加が健康状態の目安のようです。
ある程度の数字を頭に入れておけると少し安心
授乳量や体重増加を確認する際、それが十分なのかどうかを判断するためには、下記のような数字が頭にあると少し楽だと思います。
私はよくわからなくて、少し月齢が進む度にいつもググってました。
赤ちゃんが一度に飲める量
生まれてすぐ:生後日数×10ml前後
それ以降:体重1kgあたり30ml
(例:4.5kgの赤ちゃん→30ml×4.5=135ml)
1日トータルだと、150ml×体重kgが目安です。
赤ちゃんの体重増加目安
3ヶ月まで:30g/日
4〜5ヶ月:20g/日
体重については、成長曲線の幅にに入っているかどうかよりも、成長曲線と同じような曲線の形で推移しているかどうかが大事だそうです。
成長曲線内でも、今まで順調に増えていた体重が増えず横ばいになったり、減ったりするとアラートです。
また、成長曲線からはみ出ていたとしても、少し下にずれただけで増えていれば大きな問題ではないとのこと。
こういうの、ちゃんと説明してくれる場がなかったので(教えてもらったとしても、新生児のときの数字だけだったり)、不安でいろいろとググったり、支援センターの助産師さんにしょっちゅう聞いたりしていました。
数字は下記のページにまとまっていたので、貼っておきます。
http://www.kurashige.jp/03baby_checkup.html
まとめ
以上、産後「なんでみんなもっと言わないの?!」と思ったことの母乳育児編でした。
産まれてすぐは、本当にわからないことだらけで、眠い中、とにかく毎日たくさんググってばかりでした。
(4ヶ月くらいから、これから始まる離乳食について調べる方が増え、目の前のことで気になることは減ってきた気はします。)
産院も5日程度の入院でいつでも聞ける環境は終わってしまいますし、わからないことだらけで大変だと思うので、私が先に知っておければ少し楽だったかもしれないなと思ったことが、今後出産、子育ての予定がある方の何か参考になれば幸いです。
それにしても、産まれて半年もの間、何も食べず、ミルクや母乳だけで、体重が倍以上になるって、実際目の当たりにするとすごいことですね。
子を産めば母乳が出るというだけで、普段体内の白い汁ってなかなか見ないし、一体身体はどうなっているのかと気になってました。
舐めてみたら甘くて、「たしかにこれは高カロリーだわ…」「こんな美味しいものを私は作れるのか!そりゃ好んで赤ちゃんも飲むわけだ!」とも思いました。
大変だったことをいろいろと書きましたが、目の前の子どもは毎日どんどんできることも増えるし、なぜか毎日かわいさを更新し続けるし(いつまでなんだろうか)、余裕はなかなかないけど本当に面白い日々です。
次回、睡眠編を書きたいと思います。